クリエイティブな走りを楽しむ。

ssfr-01

先日、ひょんなことから27.5に乗れるチャンスがあった。それも新雪をザクザク行けるトレイルで。以前にも少しは乗ったのだが、まともに27.5に乗ったことが無かっただけに、新鮮で本当に楽しかった。

自分が借りたバイクはカーボンHT+サスフォークの比較的軽量でクセの無いクロカンポジションのBottecchiaの27.5。いかにも標準的かつ万人に受けるであろう構成のバイクだった。自分にはやや小さいフレームではあったが、26インチの機敏性と29インチの走破性のいいとこ取り。今まで26に乗っていた人であれば、合格点な乗り味だ。

これからのトレイルバイクのお手本のようだ。今までにも何回か意識して27.5を横目で眺めていたが、やはり百聞百見は一乗に如かず。なんてことわざは無いが、ようするにノウガキはいいから乗ってから申せってこと。実際乗ってみて、急なギャップや上りのルーツ越えなど26インチだと突っかかるところも比較的大様に越えて行く。

話はここから。

最近、Single Speed Full Ridgedに心酔な自分としては、通常問題の無いこのバイクにやはり所有欲をそそらない要素があるのだ。

①サスペンションがいらない。

これがあるだけで、前足が重く感じるのだ。もちろん、コーナーの度、ギャップの度、ジオメトリーが変わるのが気になる。(ちなみに標準的なサスフォークは約1,700g前後。私のバイクのカーボンフォークは約500gなのだ。前だけで、1,200gの重量差。これに前後のディレイラー・シフター・ワイヤー・スプロケを入れれば、どんなに軽いパーツを使ったとしても、SSFRとは総重量で2,000g以上の差は出るのだ。)

②SSのようなゆっくりテクニックを楽しむ走りにはならない。

クランクをどの位置で踏み込むか?!なんていう楽しみ方はできない。

この他、ギャップに入る都度、どのギアがいいかガチャガチャやって、結局登れなかったり…つまりその都度アタフタしているのだ。

もちろん27.5でSSFRを作ってもいいのだが、衝撃吸収やギャップ等の走破性は29に遥か及ばないとカンタンに予想がつく。つまりは、誰が何と言おうが27.5は26を陵駕する能力は有るが、29erSSFRでゆっくりと山を楽しむという走りは決して実現できないと言い切れるのだ。

よく「29erはレースにはいいが山サイには27.5がいい!」という人がいるが、それはサス付きのギアードバイクの場合に限る。何度も言っているようにSSFRは29erのみに実現できる26や27.5とは全く異次元の世界があるのだ。これは実際所有してトレイルに出ればすぐさま「何だこれは?!」というくらい別世界が理解できる。しつこいようだが、もう少しわかりやすく言えば、26から27.5に乗り換えても、延長線上にある性能の向上は分かるが、29erSSFRに感じる走りのクリエイティブさは無いということなのだ。

最後に一言。

29erSSFRは、MTBの概念を裏切る軽さ・シンプルさだが、ライダーのやることは走りに集中できる全く新しいジャンル。実は、やってみたいことだらけのMTBの新しい世界なのだ。

※SSFR=Single Speed Full Riged 前後にギアを各1枚(つまり走行中のギアチェンジはできない)装備し、かつサスペンションを装備しない究極のMTB。

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