「サイクリストのための熱中症対策」のサマリー

6/18に開催されたサイクリングカレッジちばでの久保田潤一郎先生による「サイクリストのための熱中症対策」を中心とした安全にサイクリングを楽しむための健康面での講座が行われました。

ここで当日の講座のサマリーとして、先生からアドバイスのあった「熱中症の予防と対策」に関するところを簡単にまとめてみますので、
これから熱中症の多発するシーズンを迎えるにあたって、ぜひサイクリストの皆さんはご一読いただければ幸いです。

サイクリストのための熱中症対策 久保田潤一郎

■脱水に要注意!

人間の身体は体重比で60%以上が水分だが、そのうちのほんの3パーセントが減ってしまうだけで運動能力が低下し、7%減で意識障害が起こったり、10%減で熱射病になってしまうなど、水分の許容範囲が狭いために、こまめに水分補給しないと脱水になる。
特に自転車に乗っていると風を受けて走ることで涼しさを感じるために、余計に脱水状況に気付きづらいという問題点がある。
だからこそよけいに自分の身体の状況について気をつかわないといけない。

■脱水の対処法 ~水分はこれだけ補給すべし~

脱水の対処法のポイントは3つ。

1.補給は水だけではダメ。塩分の補給も忘れずに(塩分0,1~0,2%+糖度3~5%程度)

たとえばポカリスウェットなら水で2~2.5倍程度に薄めたものがベスト
  気を付けたいのはあまり糖分濃度が高くなると水の吸収が悪くなり腹にたまるようになる。
  またお茶は利尿作用が強く、水分を奪うのでダメ。
  エイドステーションでは水は用意してあっても塩分の提供がない場合もあるので、各自用意しておくこと。
  水に溶かせるものがいいが、塩飴や梅干しなどでもいいし、塩をなめるのでもいい。また液体の「にがり」を用意しておいて水に垂らすのもいい。

2.水分補給の目安は1時間に500ml(サイクルボトル約1本分)

ロングライドイベントなどの場合は20~25km間隔くらいでエイドステーションが設けられており、大体1時間くらいかかるようになっているので、次のエイドステーションに着くまでに、ボトルが空になって、エイドステーションで補充する、というくらいの水分を採るようにすること。なお、イベントによってはエイドステーションの間隔が50km前後の場合もあるので、その点を考えると、暑い季節はボトル2本は必要。1本だけでは足りない。

3.水分補給は喉が渇いてからでは遅い。

自転車に乗っていると水分の欠乏に気付きづらいので「喉が渇いたら飲む」というのでは遅すぎる。少しずつ一定時間間隔で飲んでいくくらいが望ましい。信号などで止まったら水分補給をして、あまり止まらない状況では走りながら水分を採ることもちゃんとすること。一気に多い量を飲むのではなくこまめな水分補給が大切。

■熱中症とは

熱けいれん、熱失神/熱疲労(日射病)、熱射病の総称。右にいくほど重症で死に至る危険もあるので、大丈夫と過信しないこと。
いずれも脱水や体温上昇に端を発して、けいれんやめまい、嘔吐、呼吸数増大、顔面蒼白、血圧上昇などの症状がでてくる。
毎年多くのサイクリストが熱中症にあっているので、暑い季節を迎えるにあたって充分に注意しておく必要がある。

■熱中症対策

熱中症が疑わしい場合は、体温計測(できれば直腸温)、意識状態、呼吸状態、脈拍/血圧などを調べ、以下の対策を行う。
・日陰で涼しい場所に横になる
・水分/塩分補給(スポーツドリンク)
・首の後ろ、脇、股間などの大きな血管の通る箇所を冷却する(ただし全身を冷却すると逆効果なので注意)
・生理食塩水や乳酸加リンゲル液の点滴を行う
・病院へ救急搬送する
なお、対処を間違えると危険なので、イベントなどの場合には必ず速やかにスタッフに連絡を取り、必要な救急対応してもらうこと。

■熱中症にかかりやすい条件

熱中症を引き起こすのにつながる条件には以下のようなものがある。

<自分の身体の条件>

体力が弱い、肥満、体調不良、暑さに慣れてない、風邪などで発熱している、けがで故障している、熱中症の既往がある、睡眠不足

<自分の心の条件>

性格的に我慢強い、まじめ、引っ込み思案

<環境条件>

前日と比較して気温が高い、梅雨明け直後、気温に比して湿度が高い、アスファルトや砂地の地面、普段と異なる活動場所

<状況条件>

休み明け、練習初日、合宿練習などの最終日

■熱中症予防のポイント!

以下のポイントを守って安全なサイクリングを楽しもう!
1. 知って防ごう熱中症 ~熱中症はどうしておこるのか、知ることが対策の第一歩
2. 暑いときに無理な運動はさけよう
3. 急な暑さは特に要注意
4. 失った水分と塩分は取り戻そう
5. 薄着で爽やかに
6. 体調不良はトラブルの元。当日までの体調管理を充分に

以上です。
1時間にボトル1本分500mlの水分補給というのは意外としてないものです。
さらに塩分補給についてもちゃんとしてない方は多いのではありませんか。
ぜひ先生のアドバイスを受けて、こまめな水分と塩分補給を心がけて熱中症を防ぎましょう!

久保田潤一郎先生について

池袋の久保田潤一郎クリニックの院長
NPO法人日本アンチエイジング医療協会理事長。レーザー治療の権威で日本レーザー治療学会、日本レーザースポーツ医科学学会の理事も務める。
競技スキー歴は長く、昨年よりスポーツバイクをはじめて10月には初参加のロングライドイベントとなる「淡路島ロングライド150km」を途中雨天による下り坂でのスリップ転倒事故にも負けずに無事に完走を果たした。

久保田潤一郎クリニック
http://www.tb-clinic.com/