DEATH RIDE 2010悶絶参戦レポート④ 最難関のサードパスへ

サードパスへのコースはしばらくはフラット基調の道が続き、そこから徐々に登りに突入。ランチを食べれるランチポイントをそのまま通過していくと、直に道路からセンターラインがなくなり、道幅が狭くなる。
ここからがいよいよ本格的な登りになっていく。

ここを下ってからいよいよ最難関のサードパスの登りに向かう
ここを下ってからいよいよ最難関のサードパスの登りに向かう

Moniter Moniter Pass頂上からの雄大な景色
Moniter Pass頂上からの雄大な景色

このサードパスの登りはMoniter Passへの登りとは違って、狭い林間コースのような感じで、針葉樹が生い茂る山の中をワインディングしながら登っていくコース。全体的に斜度もやや高めで、途中旧斜度のヘアピンカーブが何カ所かあり、私が過去に登ったことのあるところだと 都内近郊では激坂で有名な「和田峠」のような感じの厳しいコースである。ただし和田峠の場合には本格的な登りは5km程度なのに対して、こっちは21kmも続くのである・・・
前日の車での下見の時にもコースの厳しさはひしひしと感じられたが、いよいよそれに直面することに。
さすがに本日3本目のヒルクライムということでかなりの疲労が蓄積されてきていてパワーが出ない。おまけに日射しは強くなる一方で、ガンガン照りの暑さが容赦なく体力を奪っていく。
日陰を見つけてはちょっと休む、という感じで、中間のレストポイントまでの約7kmに1時間近くもかかってしまう。

延々と続く登り
サードパスは林間コース
延々と続く登り
サードパス登り途中にあるレストポイント。
パイレーツ姿のスタッフが歓迎してくれた

Scossa’sのレストポイントは海賊をモチーフにした雰囲気の変わったレストポイントで、海賊コスチュームのスタッフ達が歓迎してくれる。このへんもいかにもアメリカならでは。かなり消耗している状況でとりあえず栄養と水分を補給。休みすぎるとよくないので、座ることなく先を目指してスタートする。

だが、その頑張りもここまでだった。そこからEbbetts Passまでの約14km、何度も襲ってくる10度オーバーの急斜面に虐められ、本当にヘロヘロになって、トップまであと1kmもない地点だと言うのにその1kmの間に何度休んだことだろう。とにかく日陰を見つけると小休止、という感じである。もはや脚が残ってない状況で、もう心もポッキリ折れる寸前である。反対車線を勢いよくかっ飛んで下ってくる、サードパス、フォースパスを制したライダー達がうらやましい。
そして最後の14kmになんと2時間半近くもかかってしまい、予定より遙かに遅れてやっとの思いで13:40にEbbetts Pass頂上のレストポイントに到着。ホントに死ぬかと思うくらいキツイ3本目であった。

リカンベントの参加者もチラホラ。このヒルクライムコースにすごい!
リカンベントの参加者もチラホラ。
このヒルクライムコースにすごい!

レストポイント入口で3枚目のスタッカーを貼ってもらい、補給所に駆け込んでまずは冷たい飲み物で喉を潤す。至福のひとときである。
レストポイントは入れ替わりで両方向から到着するライダー達で賑わっている。一緒に到着したCharamoも私同様疲労困憊の様子。

ピーカン照りの中をひたすら登る。反対側にはすでに下ってくるライダー達も
ピーカン照りの中をひたすら登る。
反対側にはすでに下ってくるライダー達も
絶景を背後にひたすら昇り
絶景を背後にひたすら昇り

昨日、今日の本番のことについてメンバーで話をしたときに、過去のこのデスライドに参加した在米日本人のブログのことが話に出たのだが、その人の話が鮮明に浮かんでくる。
彼ははじめてのDeath Rideでサードパスまで進んで、フォースパスには進まずにそこで断念してEbbetts Passのトップからスタート地点側に降りることにしてスタートまで戻った、と自身の体験を書いていたのだが、そのことを知ったときには「なんてもったいないことを!」と思ったものだった。デスライドの5つの登りのうち、斜度的にもきつくなく、しかも走行距離、上昇高度ともに最も短い、いわば「一番楽な登り」がフォースパスである。せっかくサードパスを登り切ってEbbetts Passのトップに着きながら、どうして一番楽な登りに進まずに諦めてしまったのか・・・
つくづくもったいないというか、ありえない、と正直そのときは思ったのだが、彼には謝らないといけない。まさに今自分がそれとちょうど同じ立場に立たされて、その信じられないと思った決断をした気持ちが、ホントによく理解できるのである。一気に下ってあとはちょっと昇るだけなのに、である。
それくらいここまで3回の登りで疲れ切ってしまったのだ。
フォースパスからの登りの足切り時間が15:00なので、ここからフォースパス側に下って、そこからまたEbbetts Passのトップ、つまり今いるこの場所まで戻るのに残された時間は1時間20分。
距離は片道8kmなので、下りは10分やそこらで下れるだろう。問題はそのあとの登りだ。
今までの登りと比べると明らかに距離も短いし、普通に計算すればギリギリでも登れないことはないのだが、しかしここまで疲労して消耗していると正直時速8kmで登りきることは不可能に思えたのだ。そうなると足切りでリタイヤになり回収車での帰還になってしまう。

 

フォースパスを断念。サードパスからゴールに戻る

Charamoももう1セット登る力はない、ということなので、ここでファイブパス制覇は断念して、ブログの彼と同様にスタート側に降りて自走でゴール地点に帰ろう、ということに決める。
残念ではあるが、今の状況を考えるとやむをえない選択であろう。

フォースパスを諦めてしまったことで時間的にも余裕ができたので、レストポイントでどっかりと座り込んでうたたねしかけるくらいまでべったりと30分ほど休憩してから14:10下山を開始。急ぐ必要がなくなったこともあって、撮影したりしながら、狭くてタイトなコーナーが多い絶景の下りを慎重に駆け下りていく。
そのうちに斜度もゆるめになり道幅も広くなってきてセンターラインが復活してきたところでランチストップ(ランチを食べれるレストポイント)に14:40に到着。

ヘロヘロの二人
ヘロヘロの二人
タンデムライダー。数台だけ見かけた
タンデムライダー。数台だけ見かけた
ランチポイントに立ち寄り。これがランチの野菜やチキンをはさんだラップ
ランチポイントに立ち寄り。
これがランチの野菜やチキンをはさんだラップ

まだまだライダー達は多いものの、スタッフはやや撤収モードになっている。どんなランチだろうと期待をして補給所を覗いてみたところ、ちょっとは期待していたのだが、ランチとして用意されていたのは野菜類やチキン胸肉を包んだラップサンドだけ、であった。「これだけ~!」とややがっくりモード。それでもスイカやオレンジなどのフルーツと一緒にラップを2個ほどいただく。
時刻はもうすぐ15時になろうとしている。
本当であればフォースパスまで行って今ここにいれれば、よかったのだが・・・

サードパスから戻る途中の下り。絶景が目の前にあるがヘアピンカーブ。
サードパスから戻る途中の下り。
絶景が目の前にあるがヘアピンカーブ。
雄大な景色が広がる
雄大な景色が広がる

15時すぎにレストポイントを後に走り出す。ちょうどファーストパスからフォースパスまでの全コースの車両通行止めが15時で終了したので、ここからは自動車に気をつけながら走行しないといけない。
ランチポイントからもゆったりめの下り基調のコースを6km進んで分岐点に到着。車も少しづつ走ってきだしている。あとはゴール地点までは約13km。残念なことにこっち方面からは全体的に登りになっている。日射しはますます強くなるばかりで多分気温もピークに近いくらいでとにかく暑い。サイコン計測だと38度とか40度とかいうとんでもない数値になっている・・
まさに灼熱地獄である。しかも日陰がほとんどない照りつける太陽の下を最後の気力を振り絞りながらなんとか走り、最後まで登りに苦しんだあげく、16:15、ファイブパスに向かうことなくゴールに戻って今回の走行を完了。

全走行距離127.7km、獲得標高(総上昇高度)2,921m。
休憩を除いた走行時間8時間16分のうち、5時間34分が登っている時間、というヘビーなライドであった。

 

満身創痍での帰還

ゴール地点にはすでにファイブパスを全て制覇して戻ってきている強者ライダーもちらほらいる。参加者の戻りも待っている家族達や戻ってきているライダー、スタッフ達で会場は賑わっている。
アフターディナーを申し込んでいた人は室内でバッフェスタイルのディナーをとってきてバンドの生演奏のステージ前の席でゆっくりくつろいでいたり、のどかな風景である。
暑さと疲労でボロボロに疲れた身体で腰を下ろし、しばし休憩。女性ライダーでも5つのステッカーを貼ったゼッケンのライダーがいたりするのには驚く。
どうしてこんなにパワーがあるんだろう・・・脱帽である。

ゴールとなる会場入口。特にゴールゲートはない。
ゴールとなる会場入口。特にゴールゲートはない。
ゴール付近の道路脇でライダー達を待つ家族や仲間
ゴール付近の道路脇でライダー達を待つ家族や仲間

しばらくして会場外の道路脇に出て、大量に駐まっている車の中から、我々のミニバンを見つけて先に戻っているtattsと再会。
車にバイクを積み込んで会場を後にしてファイブパス方面に進み、Carlson Passを目指して走っているライダー達を追い越しながら、最後のレストポイント(17時15分カットアウト)をほぼその時刻に通り越してここで、Death Rideのコースに別れを告げて、89号線を右折してサウスレイクタホのモーテルへの帰路についたのであった。

車に戻って「疲れた~~」の2人
車に戻って「疲れた~~」の2人

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